若者たちと~エールを送ろう~大家の記憶

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京都にいます。
ちょっと前、うちに住む学生さんが痩せこけた頬に目をギョロギョロさせて、家賃を少し待ってくださいって相談しにやって来た。その学生さんは大学院生で、いままで家賃が遅れたことはなかった。で、なにげなく事情を聞いてみたら。先月に体調こわしてしまって10日間もバイトできなかったためらしい。
勉強もしなけりゃならないし、奨学金は上限まで借りてるので、もうこれ以上借りれない。だから休日はもちろん、寝る時間削ってバイトしてきたんだけど、カゼひいちゃいました。というわけで「家賃、少し待ってください。お願いします。」って。
青年の実家は遠い。親はもう定年の齢で、下の弟も大学生だし、頼ってはかわいそうだと話す。いままでも彼は故郷の話を時どきしてくれた。親思いの優しい青年だ。彼のカラダは細い。顔も小さい。いかにも真面目な感じでこっちをみてる。 大丈夫だという顔をして見返し
「家賃のことは心配しなくていいから、これから一緒にメシ食いに行こうか。栄養あるものちゃんと食って、少し体力つけなきゃな」そこまで言って、胸が熱くなってしまった。
定食屋に入ってゴハン食べながら「北海道の実家の方はもう寒いです」なんて話をしてくれたんだが、「北海道はもう冬か。年末年始は実家に帰れそうかい?」彼は味噌汁すすりながらたぶん帰れないとだけ。
彼はとても努力家でいいヤツだ。うちには彼と同じ境遇の学生が何人かいる。かれらの努力がちゃんと実を結ぶようにと、いつも片隅でエールを送っている。それ以外に何もできない微力な大家なのだ。

2012年秋終 近所の定食屋で
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ファイト:https://youtu.be/kGl9M0_CCqI

学生下宿倉橋マンション:https://www.kurahashi-kyoto.jp/info/ooyall-cheer-at-the-young/

 

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